SqueakFest

まずはScottのAdvanced hands onの部屋に。実際に「聞いた」という感じではないが、siblingの説明をだいぶ詳しくやっていた。

次は、Columbia College ChicagoとUniversity of Chicagoがやった、幼児期教育におけるコンピュータ活用とSqueakの使い方について。昨日SciAmの幼児と記号に関する記事を読んだばかりでもあってちょっとその真のメリットについては疑問が残ったが、楽しく使えたようではある。

John Maloneyと久しぶりに会った。彼はScratchのデモと演習をやってくれた。僕もScratchで作品を作り、裏技も少々教えてもらいました。

Scratchでは、直接他のオブジェクトのプロパティを参照することができない。アニメーションの機能はしっかりしているし、ブロック(タイル)をマウスでいじるときの反応もびしっとしていてよいのだが、例えばdrive a carでもグローバル変数を経由したりちょっと面倒になる。異なるプロジェクトからオブジェクトを持ってきて組み合わせることを重視しているわけであるが、記述力そのものは弱い。

一時は、違う色の旗を使うことによって簡便なパラメータ渡しの代わりができたし、僕の知らない版では実際にパラメータを旗といっしょに送ることもできたようだが、結局はそれらは却下されたそうである。

次は、Randy CatonoによるNASA ConnectでSqueakを使った例。hard funにあふれていた。

阿部さん

なぜか阿部さんはアメリカに来るたびに面白い経験をしているのだが、今回も失せ物難に襲われてしまった。僕の「得意の交渉術(?)」を発揮する機会をもらったので某所に電話したわけである。

電話に出た女の子は微妙に態度が悪くて、「それでも客商売か」といういやみのひとつでも言いたくなったが、お世話になった阿部さんのために、男としてぐっとがまん。がまんがまん。阿部さんのためだ。

Kimの話し方を聞いていると、こういうときには器用に適切なレベルの怒りを表明するのだが、僕の交渉術はまだまだそこまでの磨きはかかっていないのではある。というか、日本語でも僕はそういうときに機転が利かないので残念ながら一生後からこういうところでうだうだ言うしか能がないのかもしれん。

シカゴ行き

SqueakFestというイベントに参加するため、シカゴに移動。朝、空港までの足はSuperShuttleを使ったのだが、なかなか混乱していて面白かった。ドライバー曰く、dispatcherの給料を下げるため、ベテランをやめさせてティーンエイジャーに代えたためだそうなのだが。La CrescentaからGlendaleに来て、一組をBurbank Airportに降ろした後LAXに向かう、という確かに謎のスケジュールだった。このドライバーはFreewayの混雑を過剰に評価している、というか一般道の信号などの要因を過小に評価しているようで、BurbankからLAXに行くときにもやや迷走気味。素直にI-5から110で行くのが、car pool laneを有効活用できてよかったようにも思うのだが。

そんなこんなで機内。Scientific Americanの8月号には面白い記事がいくつか。MRAMのように磁性体を使ったロジックゲートを、FPGAのようにダイナミックにゲートの機能を切り替えることができるようなる(だろう)という話。ひとつの(なんというのだろう)単位がandとnandかorかnorに切り替えられる。また、CMOSトランジスタ14個必要とするXORゲートは、この単位2つで作れるとか。

GHzのスピードでゲートの機能を切り替えられるわけで、今の典型的なソフトウェアとはぜんぜん違うものが現実的になるのかもしれません。

もうひとつの記事は、子供の発達心理学。記号というものを2歳半と3歳の子供がどのくらいちがったように理解できているか、というのを写真を見せたり、縮小したミニチュアの部屋を見せたり、「先生はね、なんでもちっちゃくできてしまう装置を持っているんだよ」と言って、ある部屋を模したテントの中で遊ばせた後「今からその装置で部屋全体を小さくするから、ちょっと隣の部屋に行っていてね」と言って部屋を小さくし、子供に、隠しておいた人形などを探させる、という話。「さっきの部屋の模型なんだよ」と言ったときにはわからなかったことが、「これは本物を小さくしたものなんだよ」という方が、実体と記号という二つのコンセプトを必要としないので2歳半の子でもわかる。

子供が虐待されているらしいときに、警官がリアルな人形を渡して、「おじちゃんにどういうところを触られたのか言ってごらん」と言っても、しばしば子供はその人形が自分をあらわす記号ということが理解できないので、なかなか本当のことを伝えられない。この知見が得られてから、少なくともひとつの州では人形を子供に渡して証言させることは禁じられた。

アルファベットを教えるときにも、ひらひらとページが飛び出てきたりする本よりも、単純にアルファベットが大きくきれいな字で書いてあってAならりんごの絵が別に載っているだけの本を与えたほうが、学習が早い。記号という概念の習得は簡単ではないので、そのときには記号だけに集中させるようにして、記号以外の具象物(飛び出すページとか)はない方が良い。

とかいう話でした。これは幼児の話ですが、Squeakのようなシステムの記号的側面と絵の側面のバランスについて考えさせられるところもあります。

海とあざらし

北カリフォルニアの海岸にはアザラシがたくさんいます。「あおっ、あおっ」という声が満ちているので、こちらにもだんだんそういうしゃべり方が移ってきてしまいます。Monterey Bay Aquariumにあった展示によれば、あれは母親が子を呼ぶ声だそうですが。

邂逅

お昼を食べに行ったレストランで、Tony BaxterとBruce Gordonに遭遇しました。向こうは俺の顔はもちろん覚えていませんが、Alanと一緒だったのでお互いが気がついて、レストランの入り口でしばし雑談。

id:suikanさんのhttp://d.hatena.ne.jp/suikan/20050807にある金星と三日月は、カリフォルニアを走る車中からも見えました。ちょうど、三日月の弓を引く手の位置のあたりに金星が来ていて、なかなか美しい見ものでしたよ。

San Luis Obispoから山の中を走ったので、その間は降るような星が見えていた(はずな)のですが、山道だったのでなかなか空を見上げることができなかったのが残念です。