プレゼン

Los Angeles郊外にある某A社で、出入りの人が近況を報告するという"show and tell"セッションがあった。俺ももちネタを用意して、皆が集った大きな部屋の片隅に控えていた。クレーンのような道具で空中に人を持ち上げたりするマシンのデモの後、俺の出番になった...はずなのだが、高校時代の同級生だった「じゃか」こと坂本君がとつぜん現れて、「悪いんだけどさ、俺の持ちネタ代わりにやってくれよ」と頼んでくる。一肌脱いで彼のねたを台本どおりやるのだが、これはストーリーを進めるうちに米を袋からつかみ出して、大きな部屋の床にめぐらされた堀に投げ捨て続ける必要があるものだったのだ。つかんでは捨て、つかんでは捨てをしながら米6袋分くらいを捨ててようやく話し終わると、部屋の空気がとても重苦しくなっている。沈黙を破って最初に寄せられたのは、「君はそうやって米を無駄に投げ捨てているのだが、そういう風に環境を痛めつけることをして心苦しくはないのかね?」という厳しい意見だった。俺自身も最初の一掴みを捨てた時点で「これはなんともったいないデモなんだ」と思いはしたのだが、友達の願いを引き受けた以上は、批判も俺がかぶらなくてはならない。頼まれたからというような陳腐な言い訳はせずに、「少し問題かとは思ったがやってみた」というのが精一杯だった。

その場でのやり取りが終わって室外に出ても、周りの人が態度が冷たい。Howardがようやく話しかけてきて、「あんな環境に悪いことをするなんて信じられない。もしこれからもチームとしてやっていきたいのなら、環境に良いプログラムをたくさん書いて、環境を気にしていることをアピールすることだな」と冷たく言い残して去って言ってしまう。環境に良いプログラムは「以下にあげた10種類のプログラミング言語の実行速度を上げてCPUを守る」というものだったのだが、「いやー、10種類もの言語の最適化は大変だし、これは環境を守ることにならないじゃん」と思ったところで目が覚めたことでしたとさ。

この夢の教訓は、「自分でも良く判っていないプレゼンを人に頼まれても安請け合いするべきではない」ということだろうか。