毛玉といえば蟻の行列だが、
http://news.nationalgeographic.com/news/2006/06/060629-ants-stilts.html
に、巣から離れた食べ物を見つけた蟻の足に継ぎ足しを付けたり逆にさきっちょを切り取ったり(ビームサーベルで?)して蟻の歩幅を変えてしまうと、足を伸ばした蟻は本来の巣の位置よりも遠くまで、短くした蟻は近くまで戻った後でその周囲をぐるぐる回って巣穴を探すようになるそうである。この実験をしたHarald Wolfさんのチームの仮説は、蟻は歩数を覚えておいて、その歩数だけ巣の方向に戻るようになっているのでは、ということだった。ただ、やはり食べ物を見つけるまではうろうろ歩き回るので、ちゃんとベクトルを積分して、巣からの距離を歩数で勘定している、ということだろうか。

毛玉で蟻の例を見せるときに、いつも「巣の位置を覚えていて」という説明をするのがやや心苦しかったのだが、実はやっぱり「巣の位置を覚えている」というのは必ずしも嘘ではなかったようでなによりである。