PowerPoint

Marc StieglerがPowerPointの批判をするときに引用していたのは、Edward Tufteの本だった。その一部はhttps://www.edwardtufte.com/tufte/powerpointからたどれるやつだな。

こちらの方に書かれているのは、実例を出して細かく批判しているが、この日記では僕も以前から思っていたおかしなスライドのについて一般化して書いてみよう。

  • 一枚のスライドに、入れ子の箇条書きが出てくる時点でおそらくは駄目スライド。2段までは場合によってはありうるが、3段ははっきり言ってありえない。
  • 「箇条書き」といいながらも、同じレベルのアイテムがひとつしかないならそれは箇条書きではない。気分で黒点を使っているだけなわけで、それは駄目スライド。
  • どうせ全部読ませるだけの言葉が書いてあって、発表時にそれを音読するくらいなら、紙で配って黙読してもらったほうが良い。読むことが全部書いてあるようなスライドは駄目スライド。
  • 意味のないクリップアートが入っている時点で駄目スライド。「疑問点」とかいうようなタイトルのスライドに、PowerPointの黒い人キャラがはてなマークを出している絵を入れているやつをみると「あほか?」と思う。
  • 背景色がシンプルでないのはすでに失敗のレシピである。某所では、背景色を黒にして、強調したい文字を彩度の低い赤や青にしている人がいたが、プロジェクターで表示したものを見ると、強調されているはずの単語がほとんど読めないくらいの勢いだった。背景色は白にしておけ。プロジェクターで表示しているときは、スクリーンの白が黒になるのだから。
  • グラフを二つ以上同じスライドに出すのはだいたい間違っていることが多い。
  • ページめくりの視覚効果、いったいなんの役に立つの?本論が退屈だから、せめて時折訪れるスライドめくりのときだけでも楽しませよう、ということか?

Alanの昨日の講演では、もっとコンピュータとは何かという話から、本来もっと強力なものであるはずのコンピュータでできることの説明を、より弱い機能しかないPowerPointに落としてから見せることは無いだろうという話があったが、そうでなくてもMicrosoftが箇条書きだけで説明できるような単純な話をする人向けに作っているソフトの機能を疑うことなく使うのは再考の余地があるだろうね。