最近読んだ本

なぜかSFが多かったです。

The Swarm:

The Swarm: A Novel

The Swarm: A Novel

文明崩壊もので、深海に哺乳類以前から住んでいた生物が人類を狙って蜂起するという話です。充実のリサーチに基づいている、ということもあるのでしょうがなにしろ長い。テクニカルな話だけではなくロシア文学のように、登場人物の内省が延々と10ページ以上続いたりします。それに前半は大崩壊の予兆があちこちで起こっているという話で、なかなか辛い面もありますが、後半までたどり着くと大いに盛り上がってきます。映画化決定、という話もあるようなのでどう料理されてくるのかやや興味深いところです。

Ready Player One:

Ready Player One: A Novel

Ready Player One: A Novel

こちらもいうなれば文明崩壊ものと言えなくもないですが、2044年頃に世界規模のVRが社会を覆い、その設立者が遺言として80年代のポップカルチャーに基づく謎解きコンテストを仕掛けるという話です。寡聞にして出版数年後の今頃になって知ったのですが、これがとても面白い。ゲームや映画や特撮ものの話など、我々の世代ど真ん中、という感じです。Ken Perlinが先日のミーティングの時に紹介してくれました。

主人公が東映スパイダーマンに出てくるレオパルドンをゲットしたりウルトラマンに変身してメカゴジラと戦ったりするという場面も出てくるのですが、こちらもリサーチが充実していて楽しめます。(でも、レオパルドンが出てきた以上、その最強伝説ネタがストーリーに絡むのかと期待していましたが、そういうわけではありませんでしたが。)

ハリーポッタースーパーロボット大戦サイバーパンクの世界にあり、可愛らしいラブストーリーも絡んでいて、かなりオススメです。映画化決定のようですが、こちらはもう映画向きの話なので結構期待しています。

Being Mortal:

Being Mortal: Medicine and What Matters in the End

Being Mortal: Medicine and What Matters in the End

Atul Gawandeの本については以前も書いたことがありますが(http://d.hatena.ne.jp/squeaker/20111230#p1)、彼の(比較的)新しい本です。

この本は終末医療に特化して書かれたものですが、医療の目的が「1日、1秒でも長く生存させれば良い」と言わんばかりのようになっている現状を憂い、死は必ず訪れるものであって人が死ぬのは医療の失敗ではない、という前提から、人々のQuality of Lifeが重要であるということを強く述べている本です。映画化はされないとは思いますが、自分や家族の死に際について考えさせられる本です。