近況

久しぶりの近況です。

スタートアップとしてやっているCroquet Corporation (https://croquet.io)はまだなんとかやっています。SDKを提供する会社と思ってはいたものの、自社でそれを使ったアプリを出す羽目になる、というのが歴史が教える教訓のようでもあり、かなり力を使ってそれらしいものを作りつつあります。ところどころ社長が講演するときに使ったものが動画となってみられるようになったりするでしょう。

去年の4月から、ポラリス学院というロサンゼルスにある日本人の子弟向け土曜日学校で高校生に数学を教えていました。が、コロナ禍による休校で、そちらのお手伝いはパッタリと止んでしまっています。学校で出るような数学の問題もやりつつ、最後は「長い風船をひねって多面体を作る」というVi Hartから聞いた内容をやったりもしていたのですが。

それから、もう直ぐ出ます、と言いつつなかなか出なかった、"Inventive Minds"という本の訳本「創造する心 - これからの教育に必要なこと」https://www.oreilly.co.jp/books/9784873119007/

がようやく出版されました。内容は種々の著者によって書かれた10本以上の小編が集められたものであり、内輪向け的な内容のものもあるのですが、メインのメッセージである「年齢別に学年を分けて皆が同じことをすることには問題がある」とか、「リタイヤした専門家は世の中にたくさんいるのだから、小学生にでもそのような人による遠隔講義ができるはずだ」とかそういうアイディアを拾うために読んでいただければと思います。Alan Kayがこの本のために書いた章には、実は印刷された本では説明しきれない、コンピュータを使ってこその表現が含まれていたので、それを伝えるためのアクティブ・エッセイも作られています。こちらも読んでいただければと思います。

https://tinlizzie.org/tinkertoy/ja.html

出版社から本を送っていただいたはずなのですが、日本からアメリカへの郵便物はいろいろと遅れが出ているようで、実はまだ受け取っておらず、私自身は実は物理的な本はまだ手にしていないのです。実物を手にする日を私自身楽しみにしています。