ECSTASY

MOCA at the Geffenでやっている"ECSTASY"という出し物に、id:propellaの山宮さんと行ってきた。Modern Artの展示なのに(というのは変かもしれないが)、期間の終わりに近いこともあって入場のために1時間くらいの列ができてしまうような盛況である。
テーマは、どうやら「きのこ」と、きのこがまとう「幻覚作用を持つもの」というイメージで(だからECSTASY)、そのためか美術館の前では「きのこ由来のドラッグを合法化しよう」という活動家が、そっとビラを配って便乗商法をしていたりもする今日この頃である。

いくつかの展示は興味深かった。一番きれいだったのは霧を発生させて、そこに音楽と同期した照明を当てて、細かい渦を巻いて上っていく霧の「ダンス」を見せるというPierre HuygheのActe 2というやつ。

Chiho Aoshimaのアニメ作品も、80年代的妖精キャラが21世紀のテクで生まれ変わったようなシーンがきれいだった。5つのプラズマ(?)ディスプレイを横に並べてパノラマ的に見せていたが、プロジェクタを調整して継ぎ目なしでできればよりかっこよかったかも。

Paul Nobleの絵も楽しかった。こういう絵を見るたびに早く安野光雅美術館に行かなくては、と思う。Erwin Redlの"Matrix II"も、斜めの平面が見えてきたりして面白い。が、光源がびしっと一直線に並んでいたらもっとかっこよかったかも。

Roxy Paineの"Psilocybe Cubensis Field"も、とてもがんばっている。

村上隆はそういうものですか。

 いくつかは、とてもがっかりさせられるものではある。今回の企画の目玉のようでもあるCarsten Höllerの"Upside Down Mushroom Room"は、部屋に入った一秒間くらいは「おおっ」と思うのだが、その後はなんだか石膏感が強く漂う置物(というかぶら下げ物)がぐるぐるまわっているだけで、虫食いの表現もいまいちだし、その後すごく感心する、というほどではなかった。

そのなかでも最大のがっかりは...あれだ。列が闇雲に長いだけにさらにがっかり感を助長するものではあった。