三谷君の整地のズル

Pandanet IGSというインターネット碁のサービスがあります。日本国内では月料金を取って運営されていますが、海外在住者は無料です。「世界中の人といつでも対局できる!」ということでサービスをしているということで、海外の人は「インターネットで無料のサービスを使っている人は、あなたが商品です!」ということなのですね。

私はまだレーティング対局を20局もこなしていない「(仮)」のランクしかない程度のユーザーなのですが、昨日遊んでいるときにズルをする人と対戦してしまいました。囲碁は「信頼のゲーム」ということで、終局のときに石が死んでいるかどうかの判断を人間がしなくてはなりません。パンダネットにおけるインターフェイスは、お互いが白黒構わず死石を指定し、両者が「地合計算を確定」したときに正式に終局するということになっています。が、この確定の意思表示(ボタンを押す)は非同期的に行われ、かつ両者が確定状態になった瞬間に完全に終局するようになっています。そのため、悪意がある人は「対戦相手がすでに確定しているときに、相手の生きている石を死石として指定し、相手が反応する前に自分も確定してしまう」ということができるのです。

みそとしては、相手が「地合計算を確定」したときにシステムから送られてくるチャットメッセージは、ユーザー同士が普通に送るチャットメッセージと同じフォーマットで画面に表示されるというところで、ここに不正の余地があるわけです。つまり昨日の相手の人はシステムが送ってくるはずの"I'm done scoring"というメッセージを僕に送りつけてくることによってすでに確定したかのように振るまい、僕がそれに同意するという意味で確定したのを見届けると、僕の石を死石にして即座に確定するという技を使ってきたのでした。セコい。

事務局の人に連絡すると「相手の人のアカウントを削除し、記録を訂正しました」という返事がありました。まあそれはそれとして、UIデザインの微妙な例ということでもありました。