充電

仕事の方は某言語の為にベクターグラフィックスバインディングを書くという十年一日のような作業をしていてちょっと盛り上がらないのですが、今はThanksgiving休暇中ということで余裕もあったので、初めて「出先で充電を確実にしない限り帰投できない」というドライブに出てみました。

PlugShareをはじめとする種々のモバイルアプリによって充電器の所在は確認でき、またそれらが使用中かどうかもわかる、はずなのですが、それでもかなりの不確定要素が状況を左右する世界でした。一番の問題は"ICE'ed"と呼ばれるもので、内燃機関車(Internal Combustion Engine Cars)が我が物顔に電気自動車用のスポットに停めてしまうために("The parking spot was ICE'ed!"というように言う)、使用可能なはずの充電器が使えないというものです。端的に言ってこれは完全な駐車違反なのですが、充電器を設置しやすい箇所が駐車場の出入り口に近い便利なところでもあることが多いということもあり、ズルをすることに躊躇しないタイプの人にとっては格好のスポットということになってしまっています。駐車場の係員が違反切符を切れるわけでもないので、結局ところ野放しになってしまっていることがおおいのです(PlugShareのコメントによれば北カリフォルニアの方はもうちょっと民度が高いようですが、これがLAクオリティと言わざるを得なません)。身体障碍者スポットにも平気で止める人々もある程度はいるものの、電気自動車スポットはまだ新しいためかわかってないでやってしまっている人がいるという面もありますし。さらにがっかりなのは、電気自動車でも充電する必要も意思もないのに電気自動車スポットに停めてしまう人がいるという問題もあるのですよね。

今日使用した駐車場はLong Beachの水族館前のところですが、案の定ICEで2スポット、接続されていないLEAFが2スポットで4台あるはずの充電器前のスポットが全部埋まっていました。駐車料金を払った後でこういう状況を発見するというのはもうやるせないです。ただ、ある充電器の裏側が「コーンで塞がれていたものの駐車スポットと言えなくもない」という場所だったので、得意の交渉術を発揮してコーンを動かしてもらい、なんとか充電器を使用することができました。

PlugShareで日本、特に都市圏の地図を見ると、CHAdeMO充電器がかなり密に整備されているようで、これだけあれば後顧の憂いなくあちこちを回るというような乗り方も大いにできそうに見えるのですが、LAではやはりまだ不確定要素が強すぎです。充電器の総数を増やすのも大事ですが、オンラインで調べて使用可能となっている充電器であっても、実際には使えなくて当たり前という現状では、遠乗りどころか日帰りでもあっという間に冒険になってしまいます。電気自動車の普及を妨げている一要因として"range anxiety"がしばしば挙げられますが、本質的には「航続距離が十分かどうか」という不確定性ではなく、「予定している充電設備が本当に使えるのかどうかわからない」というのが問題だということを実感しました。

現在ある充電設備でも稼働率を上げられるように、ICEの違法駐車は強く取り締まっていただくとともに、社会的に電気自動車が存在しているのだ、ということをもうちょっと認知してもらえるようにしていきたいところです。