Spider-Man 2 (スパイダーマン2)

結局と言うかなんと言うか、Spider-Man 2を見てきてました。見に行く前に「しろはた」のSpider Man (1)レビューを知人に無理やり読まされたのでちょっとそっち方面(?)に意識が引っ張られていた面はありましたが。

Peter Parker君は前にもまして悩み多くつらい生活を送っています。スーパーヒーローはつらいですね。まじでつらすぎです。バイトしながらスーパーヒーローとして体張ってますからね。説明、というか理屈で説明しなくてはいけないところが出てきてしまうのが続編というもののつらさではあります。途中よわっちくなってしまったときの小市民的な喜びの味わい方ももうつらい。

MJはいつの間にか舞台で大成功しています。もう町中MJだらけ。そのわりには舞台が引けた後ひょいっと表口から出てきたりしているんですけどね。しかしそんなにかわいいわけでもないのにものすごい勢いで男を取り替えていくさまは、おたくのPeter君だけではなく、宇宙飛行士(宇宙飛行士まで来ましたか)のJohn君のやるせなさに共感してしまいますね。前作はPeterとのやりとりがもっと繊細に描かれていたように思うのですが、今回は「はいなの、いいえなの?」と言う感じですしね。

核融合エネルギーの研究にたこ装置がなぜ必要なんだろうとか、そもそも安全装置が壊れるようになっているのはなぜなんだとか、発表会になぜ文学部卒の奥さんがめがねを渡すためだけにいて死ななくてはならないんだとかいろいろ疑問は持つわけですが、たこ博士(Dr. OctopusまたはDoc Ock)むちゃくちゃかっこよいです。役者の面構えも悪そうで悪そうで良いし、足の動きも良いし、ビルの壁をがっつんがっつん登っていく様には息を呑みます。Spider Manとの格闘シーンも迫力ありまくりです。

迫力ありすぎて歩いているだけでがっつんがっつん音がするわけですが、そのわりにはなんで誰にも気づかれずに暴れた現場から逃亡しできたり、あんな装置を組み立てられたりするんだろうとか思いますけどね。

最近はスーパーヒーロー映画がいろいろあって、明らかにどじょうを狙った(そしてこけた)Daredevilみたいなやつもあるわけですが、ありえない理屈で空を飛んだりするのではなく、物理的に見て判る姿で持って壁を登ったり、空中に打ち出されたりというところに説得力というか憧れをおぼえさせるわけでしょうね。ありえない、という意味では同じようにありえないわけですが、とにかく目に見えるという。例の「白い粘着物質を発射する」というところに潜在的な魅力がある、と言う説も間違いなく作用しているとも思います。

なんだか絶叫している人の正面アップがなんどもなんども出てきたのですが、あれはなにやら意味があったんですかね。コミックへのオマージュとか?

よわっちくなったPeter君もやられてやられてキン肉マンのように意志の力で視力を向上させ、もとのパワーを取り戻します。最後はもっとがんがん格闘してもらいたかったような気はしますが、ほどほどのところでたこ博士も我にかえり、ご都合主義的に核融合装置を川に落としただけで消滅。

いろいろ秘密は明かされていますが、最後のHarryのシーンは続々編があってもなくても良いように、というつながりかな。

アメリカのヒーローというものをたたえるシーンは「ちゃんと」入っています。

というわけで、結論はたこ博士の渋さを見るのが吉、と言う映画でした。