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死にました。9月とはいえ炎天下に1時間半立って並び、セキュリティチェックを通ってようやく建物内に入った後は天井の低い反響の悪い大部屋で、最悪のマイクとスピーカーから出てくる複数の声から自分の名前を抽出するべく、ただでさえ緊張しているところにさらなる注意力を要求され、実際のインタビューは10秒で終わりという。死にましたけど、取れました。

アメリカ大使館に行くときには、昔はなかった地下鉄溜池山王駅を使いました。大使館に向かうときは、地上に出た後少々緊張しつつまっすぐ大使館に向かうだけだったので、いったい自分がどこにいるのか、という正確な意識も持っていなかったのです。大使館から駅に戻る道でも位置感覚はぴったり来ていなかったのですが、そこで一軒の立ち食い蕎麦屋が目に入りました。とってもとっても見覚えがあると思い、なんとこれは昔時々入っていた店ではないか、と思った瞬間、異世界のように感じていた空間がわさわさと揺れてすとんと落ちついたような気がしました。なにしろ、高校のとき毎朝毎朝自転車で通っていた道だったのですから、頭の中にくっきりと残っていた記憶が立ち食い蕎麦屋をキーに(ううむ)一気に呼び出されたのです。文字通りよろめいてしまいました。

思わず立ち止まって辺りを見回し、ままやのあった細い道を見通してみたり、赤坂ツインタワー見上げてみたり。景色は少しづつ変わっても、同じ街でした。はす向かいにはStarbucksができていたり。昔はドクター中松の看板があったような? 大都市東京。