HP Super Science Kidsカンファレンス

しばらく前から関係者の方々が準備してきたHP Super Science Kidsプロジェクトのキックオフカンファレンスである(URLはhttp://www.supersciencekids.com/)

僕自身は皆さんのやった企画に乗っただけともいえるのだが、一応発表会の座長を努めた。

このプロジェクトは、小中学生がSqueakのプロジェクトを作って応募すると、優秀作5名の人にアメリカ西海岸への科学ツアーへ御招待、いわば「Squeakで遊んでアメリカに行こう」というプロジェクトである。大物も多数関係しているなかなか盛大な企画なのである。
まずは瓜谷さんの概要説明。オープニングのStar Trekはいったいなんだったのか。

次にAlanのキーノート。準備をぎりぎりまでしていたりしたため(機能の影響か?)やや流れが滑らかでない面があったかもしれん。印刷技術の与えた意味、科学としての地図、Squeakのdrive-a-carから重力の例まで、毛玉が出てきそうだったが飛ばされて、$100 laptop computerの説明。

次はパネルディスカッション。CANVASの石戸さんが司会で、デジハリ校長の杉山さん、セガラリーの製作をしたQ-Entertainmentの水口さん、東山田中学校の本城さん、そしてKimがパネリスト。実は投げかけられた質問の多くは極論だったり紋切り型だったりしていろいろと解せないものもあったが、パネリストの皆さんはよいことを言っていた。水口さんの語り口は穏やかだが、教育の変革の必要性について一番地に足が着いた方向から意見を述べていた。Kimもパネル慣れしているのか、ちゃんと他の人の言った言葉を使って自分の考えとの関連を説明したりと一番パネルっぽい話し方だった。杉山さんの「いける人は、もう行けるところまで行くしかない」という言葉にも共感。本城さんの「せみの抜け殻を3歳の子供が持って帰ってきたときも、気持ち悪いと言わずに一緒に見てみよう。大人の理科離れが子の理科離れである」という話も普段僕が思っていたことを良い例で説明してくれた感じ。

途中原田さんと(約束どおり)話をすることができた。毛玉を見せてちょっと喜んでもらった(ように思う)。

その後僕は活動発表の座長。厳しくタイムキープ。多摩美の須永先生による子供向けワークショップは、Montessoriを引用したりして皆が言うものの、実際はあんまりされていない「コンテキスト作り」をちゃんとやっているところがすばらしかった。作りたいと言う気持ちを、まずお昼御飯を食べて、それを再現してごらん、というだけで引き出す。「自由」だけを言わずに制約を与えた道具立てだからこそ創造性が発揮されるという俳句の発想もよし。

まっちゃんこと松澤君は、岡田君を侍らせて発表。やや漫談風な口調だが、独特のユーモアがある。岡田君はテストタイルの中身を間違えていたが、流されていた。言霊は、一般化してタイルの書き換えや構築のところを別の記述から作れるようになれば(Tweakのやつを改良した感じ)、世界的に使えるかも。学生が作った中に、「エラーが出たら押せ!」というボタンがあったのだが、あれはいったいなんだったのだろうか。

三重大学の下村さん。実は一番システマチックな組織になっている気がする。地球聴診器を使った例はもうすぐだそうである。

堀川高校の藤岡くん。SSHであるだけではなく、1年かけて「論文」を書けるところまで高校生を導くのがえらい。3次元グラフィックスをeToysでやっている例が多々あったりして今日はそのひとつ「浪人まわし」が紹介されていたが、きれいにできていた。

最後はデジハリ研究員宮坂さんの活動報告。学校ではない環境でのワークショップで、手厚いコンテンツサポートなどのある物語作りなどをしていた。

質疑も大分出てかなり興味深かったように思う。並行セッションとして阿部さんの電池ワークショップが行われていた。かなりの盛り上がりだったようなのでちょっとだけしか見られなかったのが残念ではある。

レセプションも楽しくプチ暴れしてしまいました。すみません。

スーパー・サイエンス・キッズは、「スーパー・キッズ + サイエンス」ということだと思うが、「スーパー・サイエンス・キッス」だとかなり強烈そうである。