新しいこと

新年早々、今年は新しいことに挑戦することになりました。

だいたい最近の医療テクノロジーはすごいことになっている。たまたま今読んでいるNeil PostmanのTechnopoly(こちらは"Amusing ourselves to death"に比べるとちょっとパンチにかけるが)でも、聴診器(そういえば、stethoscopeというのはstetho(胸)を見るということで「胸覗き」という意味なのだ)の発明以来、医者が患者を診るときに間接的手法に頼るようになっていったということが書かれているが、今日はまさにその極地。Cedars Sinaiだけなのか全米の病院でもそうなのかは知らないが、「あなたの痛みは今どのくらい?0から10までの数字で言ってごらん?」というのが標準の方法として使われている。「10というのがどのくらいか分からないのに、3とか4とか言っても意味あるの?」という非常に正しいことを言っている日記作家の人がいた。どうも聞いている人も10がどのくらいなのか分かっていないみたいだし。その数字をグラフにつけて、いくつまできたら硬膜外麻酔したいか、ということを聞いてやろうとするのだからな。

硬膜外麻酔を実際にした人はまだ駆け出しで、ベテランの人の指示を一つ一つ受けながら処置していたのがかなりどきどきした。どきどきして頭に血が上ってちょっとふらふらするくらいの勢いであった。

しかし、医者というのはすごい仕事だ。昼間2件手術して、夕方息子のバスケットボールの練習に付き合うからと抜けてきて、夜10時ごろ戻ってきてちょっと検診して家に帰り、夜の2時になって各種進展(また数字なわけだが)がよろしくないという報告を受けるやいなや病院に来て2時半前から手術を始めるという流れ。「人を助ける方のドクター」である。

手術のほうは、頭が出てきた後から見せてもらえて、ぐいっと押し出したり、なにやらへらみたいなもので胎盤をかきだしたり、切ったところを縫い合わせたりするところまでもちらちらと見ながらコーチ役をしていた私である。

まあそれはともかく、楽しくなりそうである。だいたいまだ19時間くらいしか経っていないのにもういったいそれがいつの話だったことやら。