SPLASHを終えて

(English Translation available at: http://d.hatena.ne.jp/squeaker/20131109#p1)
SPLASHという名の下にいくつかのワークショップが開かれているのですが、その中の一つに、FOOL (Foundations of Object-Oriented Languages: http://fool2013.cs.brown.edu/)という、静的型や型理論に重点を置いたものがあります。日曜日に自分の発表が終わってお昼ご飯を食べた後で、David UngarとGilad Brachaがその部屋でだべっているのを見たので私もそっと入ってみました。

Kim Bruceが「FOOL 20周年について語る」というキーノートを始めるところでした。歴史物を聞くのは好きなのでなかなか楽しい話でした。質疑応答の時間になって、Daveが期待を裏切らずに質問します。「なるべく上手に質問したいと思うんだけど、このコミュニティが20年間やってきた成果の中で、実社会に影響を与えたものとして最大のものといえばなんだっただろうか?」と。"F-bounded”とか、” contravariance”とか、Bertrand MeyerをだまらせてEiffelに引導を渡した、とかの答えが出るのですが、まあDaveは最初から「ほら、あんまりないだろう」というつもりで質問しているので納得はしません(それがなかったらGoogleは生まれていなかったというような規模の貢献があるのか、と聞いているんだ、と)。「型というのはドキュメンテーションとしての意味があるから」という答えが出たのに対して、Daveがいきなり「今朝のAGEREで『若いやつ』が面白い発表をしていたけど、何十万行(じゃなくて本当は何億行)ものコードで書かれているようなものを2万行にまとめてしまったという話だった。そういう風に美しいコードを書くことがさらによいドキュメンテーションになるのだ。あ、なんだ、ここにいるじゃないか」と言って、すぐ隣に座っていた私に話を振ろうとしてきました。慎み深い私は巻き込まれないように余り多くは言わないようにして逃げてしまいましたが。あー、びっくりした。