December 6th

相当に時間がかかってしまったようであるが、借りて読んでいたDecember 6th(isbn:0671775928)をようやく読み終わった。終盤にかけて張っておいた伏線がちゃんと生かされて来ると共に、ストーリー全体を貫く絵画的なイメージがまとまっているあたりが、なかなか読ませる本である。

ほとんど全ての会話は日本語でしゃべっている事になっていながらも英語で書かれているわけで、読むたびにどうしても元の日本語はどうだったのだろう、と思いながら読んでいる面があって没入できない感じはあったのだが、後半になって慣れてきたようで、少し捗るようにはなった。

日本についても良く調べてある。南京の話のところで出てくる数字などはどうかなあとも思ったが。

滅びの美、的なわびさびがあるし、みち子さんとの破壊的な愛もなかなか美しいと思う。