お寺での彼岸法会

せっかく実家にいるということ、および母の都合がつかないということから、東京の大島家の墓がある常林寺で開かれた彼岸法会に参加。

どの寺も何かしら出し物をするようであるが、今回は檀家でもある「銭湯博士」町田忍氏が1時間ほど銭湯とお寺や仏教の関係などについて、何十枚ものスライドを投影しながら話をする。銭湯の起源となった、お寺での施しとしての大徳寺東大寺の湯殿。湯屋風呂屋の違い。江戸時代の銭湯。銭湯の地域性。唐破風が象徴する「権威」と「極楽浄土」のイメージ。唐破風を使った、寺、霊柩車、銭湯、そして遊郭などの建築物。どれも中は極楽である。

東京は震災後にある宮大工さんが立て直したお寺風の造りがはやって、標準となった。北海道は洋館風のものが多い。地元の人が建築中には銀行になると思っていたらお風呂やさんだったとか。

大阪にある、しゃちほこの下に自由の女神が2体立っているという門構えの源ヶ橋温泉。持っているたいまつが「湯のマーク」になっているという話に笑った。

霊柩車も地方性がある。もともと霊柩車は輿の行列を雇うことのできなかった経済的に恵まれない家族のために作られたコンセプトであった。富山(?)は霊柩車が赤い。千葉にある踊り竜が乗った霊柩車。これはすごい。京都、大阪では白木の感じを重んじるので、毎年削って、削れなくなったら漆を塗ってグレードを落とした輿にする。

さらにお風呂屋さんに書かれているペンキ絵の話。掛川出身の絵師が最初に書いたので富士山が基本となった。町田さんの家にあるダイヤモンドヘッドの風景。ピラミッドとキリンとサルが描かれたものに笑う。女湯のほうにはしばしば昔話の一場面が書いてある。子供づれで入った親が話して聞かせられるように。

というわけで、お風呂は極楽である、という話であった。

卒塔婆をお願いして、花も買って、墓の手入れをちょびっとやって。私の偽悪時代は終わりを告げつつあるのかもしれん。