食いしん坊日記のほうでは先に話題になっていましたが、仮称プリ子がやってきました。黒いボディのすっきりしたやつです。同僚などには、「LAで暮らすのに家族人数分あるいは人数分+1台の車がないなんて、違法なんじゃないの?」と言われたりもしていましたが、1年半ほどは、僕の通うオフィスが家から近かったこともあり、なんとか1台でやりくりしていたわけです。が、最近通う先がまた増えたこともあり、ついにあきらめて車を追加することにしました。世界に対して、2台の車を使うことによる環境負荷を正当化するだけの見返りを本当に与えることができるのか? という類の悩み方もしていたわけですが。

それはともかく、プリ子のディスプレイには瞬間瞬間ごとの燃費が表示されるので、いろいろな条件になるたびにディスプレイを細かくチェックしてしまいます。

最近時々Beverly Hillsに出勤しているのですが、我が家からはColdwater Canyonという道を通って山越えをしなくてはなりません。登り坂で苦労しているときはしばしば15-20mpg位(miles per gallon: 燃費の単位)になってしまいますが、頂上を越えると、下り坂でほとんどガソリンエンジンは使わずに、回生ブレーキだけで30-35mph(miles per hour: 速度の単位)を維持したまま、しかもその間電気をためながらオフィスまで降りて行くことができます。というか、電池の容量が足りなくなるくらいに貯まってしまって、「ああ、もったいないもったいない」と思いながら坂を降りることになります。

ゆっくり加速するときは、停止状態から10mphくらいまではモーターだけで駆動するようなのですが、夕方のラッシュのColdwaterでは、5mphくらいでだらだら坂を登ることになります。こういうときには、電池の残量が40%くらいまで落ちることがあり、そうなるとちょっと充電をがんばり始めるようになったりもします。それでもついつい、「電池の残量を徹底的に減らして困らせてやろう、へっへっへ」とわざとだらだら走ったりしてしまいます。

とはいうものの、まだプリ子に「愛」を感じるところまで仲良くなった気はしないです。5年前から乗っている「ぼんちゃん」こと2002年モデルのカローラは、走っている場所と体で感じるエンジンの回転具合からそのときの速度や加速度が分かった気になっていたものですし、なにより小さい体なのに一度も故障などで裏切ることなくがんばってくれていたので「ういやつういやつ」と思っていたものです。が、新しい子が来た最初の夜はアパートのパーキングの手配ができていなかったために、ぼんちゃんには外で一晩明かしてもらう羽目になったりして、なんだかとっても申し訳ないような気がしてしまいました。

プリ子の方は転校生なのに闇雲に賢くて、ボタンでエンジンをかけたりするところに「ツン」としたものを感じてしまいます。エンジンの回転音も、こちらの意思(というか速度)と一致しないのでちょっと変な感じですし。いつか「デレ」になるときがくるのでしょうか。