キター

というわけで、待ちに待っていたステッカーが送られてきました。うれしいので、長々書いてしまいます。

カリフォルニアのフリーウェイにはcarpool laneというものがあります。最初来たころは「カープール?アメリカでは車って泳ぐの?」と思っていたわけですが、要は一台の車に複数人が乗車することを意味するわけです。carpool laneというのは、複数名が乗車した車だけが使用することができる特別な車線です。複数レーンがあるフリーウェイの区間で、1レーンまたは2レーンがcarpoolした車専用として設定されていることがあります。また、HOV laneという呼び方もあって、ホブっていったいなんじゃらほいと思っていたことがありましたが、これはhigh occupancy vehicleの略です。さらに言うと、ラジオなどでは"diamond lane"という呼び方をすることもあります。これはcar pool laneにはダイヤモンド型のマークがペイントされていることから来ていると思われます。LA郊外にはDiamond Barというエリアがあるのですが、ラジオでぼんやり交通情報などを聞いていると、Diamond Barで事故があった、という話だったのか、どこかのcarpoolで事故があったという話なのかわからなくなったりもします。

あ、そうそう、さらに細かく言うと、フリーウェイ上だけではなく、一般道からフリーウェイに上がっていくランプにもしばしばcarpool laneがあります。フリーウェイ上が混雑しているときにはランプから大量の車が一度に流入してこないようにランプに設置されている信号が機能していることがあるのです(これもまた謎の言葉ですが、"metered"と言います。流入量が計測・制御されているという意味でしょうね)。その場合でも、2車線あるランプのがcarpool専用になっていて、1人しか乗っていない車が列を成してゆっくり進んでいる横を、一気に追い抜いていくことができるようになっています。

まだ上林先生がご存命のころ一度運転をおおせつかったことがありました。一人用のランプがとても混雑していたのに、我々はその横の誰も使っていなかった車線をすいっと通り過ぎたので、上林先生はもしかしたら「大島というやつは路肩をぶっちぎったりする悪いやつなのか!?」とでも思われたか、少々びっくりなさっていました。「こ、これは!?」とおっしゃっていたのが懐かしく思い出されます。

カリフォルニア州では、carpool laneは主に「大気汚染対策」が理由のようです。カリフォルニアでは、燃費の良い車の利用を推奨するために、(確か)2004年から、燃費が一定以上良い車であれば1人しか乗っていない車でもcarpool laneを使用できるようになっています。ただし、むやみにその台数を増やすとcarpool laneも一般レーンと同じくらい混んでしまうので、つい数日前まで75000台という台数制限がありました。われらのプリ子(Prius)も燃費の基準は当然クリアしていたわけですが、去年の11月に買った時には台数制限にかかってしまっていたのです。

ですが、去年の後半に法律が改正されて、2007年1月1日からさらに10000台が新たにcarpool laneの使用を許可されるようになりました。11月の時点であらかじめ申請をしておいたのですが、それでもちゃんと10000台の枠の中に入れるかどうかがかなり心配だったのです。

というわけでじりじりと待っていたわけですが、2週間ほど前に申請時に手数料として送っておいた小切手が換金されたので、これが期待を持ってよいぞという示唆になりました。そしてようやく、今日になって許可証と「ステッカー」が届いたのです。

このステッカーは車のバンパーなど4個所に貼って、正式に許可を受けていることを示すものです。黒い車に黄色いステッカーを貼るのは微妙に格好悪い気もするのですが、まあそれもよしでしょう。

というわけで、明日からBeverly Hillsに行くときは(というか夕方帰るときは)、134の区間はちょっと速く通過できそうです。

ところで、carpool laneはこうやって「特権」を使える人にとっては非常に良いものですが、本当に大気汚染の低減や、渋滞の緩和に役立つかどうかは議論の余地があります。Tedはcarpool laneがいかにunfairなのか、ということを主張するわけですが、まだそれを聞く機会がありません。(例によって)Wikipediaに詳しく書かれているので、興味のある人は見てみてください。