OLPC

最近OLPCについてOperaがらみで言及しておられるid:saitonさん経由で。http://blog.wired.com/monkeybites/2007/01/opera_ceo_on_ip.htmlにはopen-source-crazy(saitonさんによる(?)訳ではオープン・ソース狂)という言葉がありますが、まあそう思うときもありますね。

例えば、PDFリーダーが搭載されていないわけなのですが(いや、いなかったけどXBookというものが締め切り後に載っていますね)、Acrobatで良いじゃんとも思わなくも無いんですよね。フリーのものが良いといってそれを使っていても、作者の気が突然変わり、「やっぱりオープンなのはやめた!」と言い出したりしたら同じ位の面倒になるわけですし。Adobeと正式に「フリーで提供する」という契約を結ぶというのも最悪なチョイスではないでしょうし。何よりPDFの仕様が変更になったときなど、結局Adobe製のものが一番良い、ということになってしまうでしょうし。

オープンソースでなくても無料であればそれを搭載しておき、フリーで良いものがあればそれで後々置き換えていく、というストラテジーのほうが現実性はあるように思います。

...ということは実はOLPCに搭載されているものの中でも一部では行われているんです。OLPCでは、CPUが動いていなくてもメッシュネットワークのルーターとして機能するためにMarvellという会社のチップセットが入っています(ARMコアらしいです)。ルーティングのアルゴリズムは変わることが想定されているので、そのチップセットが実行するファームウェアは書き換えが可能になっています。

が、その中にリアルタイムOSやらが入っていて、その辺のコードが(まだ)オープンにできないため、現在はファームウェアはバイナリ配布になっています。

ネットワークで面白いことをしたいと思っているハッカー達にとっては、「オープンになっていないなんてひどい!裏切りだ!」と思うのもまあ分からないではないのですが、子供に使わせるのが主目的だということを考えると、ファームウェアは動くのならとりあえずはそれを使えばよいじゃん、と思うわけではあります。いずれはオープン化したものがでてくるでしょうし。ファームウェアというのは要はほとんどハードウェアの一部みたいなものですが、なまじっか書き換え可能であるために気になる、という人もいるようですし。