Rainbows Endとレインボーズ・エンド
英語版と日本語訳の両方をもらってしまったので、ぼつぼつと読んでみた。
- 作者: Vernor Vinge
- 出版社/メーカー: Tor Science Fiction
- 発売日: 2007/04/01
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- 作者: ヴァーナー・ヴィンジ,赤尾秀子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2009/04/05
- メディア: 文庫
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http://d.hatena.ne.jp/squeaker/20100127 のエントリでは「観念的」と書いたが、発表はこの小説の道具立てになっている未来技術の予測として強く結びついていたわけではある(まあそうなのだろうなとは思っていたが、小説ではない未来予測としての話として聞いてしまったので、もうちょっと強い根拠を求めてしまったのだよな)。
小説は、現在の技術動向から想像力を膨らまされる未来に思いを馳せ(まさに技術がそれ自身によって加速するというビジョンに立脚しないかぎりありえない進歩であるが)、San Diegoを知っていると思っている人が知っているはずの現実世界にオーバーレイされた拡張現実のことを思って"sense of wonder"を味わい(あの図書館が○○しちゃうなんて)、主要登場人物のなかにまともな人が一人もいない中で、それぞれが成長する姿を見て心温まるという話です。
英語版の文体はそれなりトリッキーで非文や前方参照が多い。そのため、すいすい読めるという感じではなく、日本語版の訳者の苦労がしのばれる...と言ってあげたいところではあるのだが、正直言って訳し切れていない個所が多いのがちょっと残念(Vernorに「訳がどんなもんか教えてよ」と言われたので正誤表を作る勢いで読んでいたのだが、力尽きました)。
ところで、ネットを検索していたら、なぜか原文がhttp://rb.68frogs.com/ にあるのだな。なぜだろう。