La Villetta

今日来たLa Villettaは3歳から6歳までの子供の面倒を見ているところである。今日は朝から行ったので子供たちが実際にいたわけだが、とにかく子供のアクティビティの幅広さと真剣さ驚かされる。積み木、粘土、カード、OHP、インク、はかり、楽器、プラスチックや針金で子供たちが作ったオブジェ、ステレオセットなどなどなどなどなどなど。

これだけなら大したことはないかもしれないが、子供と一緒にいる先生が子供の相手をしながらもずっとノートを取り続けているところが一目見てわかるすごさであった。子供たちが言ったこと、やっていることなどを記録している。Reggio Emiliaの保育園、いったいなにが違うのか、と思っていたが、これをみて一気に疑問が解けた思いである。このノートとりを見ていると、子供たちがほのかに「自分たちはメモを取ってもらうくらいだからなんだか重要なことをやっているんだ」という意識を持っていることが見て取れる。この意識が自然と子供を一人前に振舞うようにさせ、遊びに積極的に取り組むようになる。

記録をとったものは壁にdocumentazioneというものとして、一連のポスターのようにまとめたり、めくれるブックレットのようになっていたり、一部は速報性を意識したような手書きのものとして、一部はきれいなポスターとしてかなりの「production value」を伴った形で展示されている。これによって親も参加しやすくなっていると思われる。pedagogistaや先生同士の交流会で発表も頻繁にされるので、その材料にもなるし。

なるほど、と思ったね、本当に。はてなダイアリーを付け始めて、日常接するものの名前も覚えておこうという意識が働くようになったことに気が付いている私であるので、Reggio Emiliaでやっていることをみて本当にすとんときました。昔どこかで聞いた話で「イタリアでは女の子に『あなたは世界で一番可愛い子よ』と何度も何度も言い聞かせて育てるので、大きくなると可愛い子になる」というステレオタイプ的な話があったが、このステレオタイプも一面の真理は捉えていると思う、ということを言ってみたりもした。

1人の男の子はずっと巻尺と物差しを持っていて、他の子供や大人の身長を何度も何度も測りたがっていた。我々のグループが近づいていくと、それぞれの人の背を測ろうとする。問題は150cmの巻尺だったのでほとんどみんな測りきれなかったのだが、それでも"uno cinque zero"とみんな150cmだったことにしてしまうところが子供である。Paulaはそこでちょっと質問していたが、お客さんの相手もしていたので深くはいけなかったみたいだね。お客さんがいなかったら少し発展したのかもね。僕はしゃがんでやって150cm以下になって測らせてやったのだが、今度は150のほうから測ってしまったので、"quaranta otto"になってしまった。しゃがんでもそこまで小さくはならんよ。