VL/HCC '05

Steven Tanimoto先生のキーノート。Transparent Interfaceということだが、なんとなくSmalltalk Objectのことを言っているような気もしてくる話ではあった。ただ、出てきたData Factoryと言ったツールはJavaで書かれたアプリケーションで、あんまり中まで見えるようでもなくちょっと違和感。夜にいろいろと話をする機会があったのだが、そこは解消されなかった。

しんさんのmixiに書かれている"Love: Transparent or Opaque?"というギャグは、もしかしたら再利用されるかもしれないのでねたばれは避けておく。が、落ちを言い間違えてかなりがっかりしていた。Info-Affordances MatrixというやつでeToysやSqueakや毛玉がどう収まるのか調べてみようかな。

私の発表は...20分にしては多くを詰め込みすぎてしまった。聴衆がいつもと違うのでSqueakの説明もしないとなと思って、追加したりしたのだがそれを忘れて飛ばしてしまったりし、その割には毛玉部分もはしょりまくりの説明になってしまって判らなかっただろうと思う。Andrewに見せられただけでも良いとするべきか。セッション直後に、例の「PowerPointじゃないんだよねえ、なんだか表示されているオブジェクトをドラッグしたりしていたので、違うとは思ったんだけど?」という質問をされてしまうくらいSqueakについて説明不足だったわけではある。(実は夜になってから土田先生にもされてしまった)

Andrew Begelのは、多分大きな野望を持ったプロジェクトのごく取っ掛かりのところだけ。彼は某社に行くらしいので、いろいろ将来の発展方向は予想される。ただ、「しゃべったものを認識してプログラムにする」というのは某社でもどこまでできるかは微妙ではあるなあ。彼は実装力はとてもありそうだし話も上手だし頭の回転も速いので、もっと世界制覇を狙えるねたをやって欲しいような気がしなくもない。

一応肩の荷は下りて、発表を聞くムードになった。今日のほうが「面白い」というか興味を持てる発表が多かった気はするが、発表のことが気になっていただけかな。

UMLの状態遷移図をUML VMのコードに変換して実行しようとしている、という話。UMLの実行という話はいろいろあると思うのだが、制限した制限した図を書いてそれを実行することにはあまり意義を感じない私である。

でもその次のUML図をアニメーション的に実行するときにグラフの書き換えでやる、というやつは面白く感じた。グラフの書き換えルールを自分自身で記述する、というアイディアが良かったと思う。のだが、質疑の時には「書き換えルールを自分自身で書く良い理由はあるのか」という質問が出たりしたんだよなあ。かなり「書き換えルールを自分自身で書かない良い理由はあるのか?」とまぜっかえしそうになったが、そういうことはしなかった。証明する必要が出てくるものが減るし、良いに決まっていると思ってしまうのだがなあ。

本質とは関係がないが、例に使っていたドライブスルーレストランは、車の列があって、窓口がひとつだけあって、窓口で注文して、食べ物を受け取って、そこで食べて、食べ終わったら車を移動する、ということになっていた。セッションの後で、上記のコメントのほかに「でも、ドライブスルーはそういうものじゃないよ」と言ったら、「ははは、実は行ったことがないのよ」と言っていた。ドイツ人のお姉さんだけに。

Resource-basedだかなんだかの謎の抽象的仕様記述法。おそらくはスケールしない。Pie Menuやfish eye distortionや無限extentのキャンバスを持ったGUIツールキット。「過去20年のいろいろなインターフェイス研究の成果が使われていないのでツールキット化した」というのだが、つらいそうなので2つコメントをしてしまった。「1962年(63年かな?)のSketchPadもズーミングインターフェイスを持っていたので、20年ではなく40年だ」ということと、「Eclipseのメニューなどを置き換えられるか、あるいはEclipseのようなものをそのツールキットを使って書かないと他のかっこよいけど使われなかったツールキットと同じようになってしまうかも」ということなど。Bi-manual inputもサポートしています、ということだったので、セッション後に「NLSもSketchPadも両手インターフェイスだったんだよね」と言ったのだが、マウスをNLSで使われていたと言うことには興味がなかった様子。

Genderの話。

アルゴリズムアニメーションの話。大学時代はAAをやろうかと思っていたときもあったくらいなのであまりえらそうなことは言えないのだが、「未だに配列と要素のswapですかー」という感想は否めず。Liveness!について主張をしていたのだが、Smalltalkとの関連について明日あたり聞いてみようかと思っている。このグループとはSmalltalkグループも話を良くしていたはずなので、俺が出る幕ではないのかもしれんが、一応人生における戦術として「頂上作戦」を多用しているので、アタックしてみるべし。

ビデオの話はいろいろと謎。

夜は、Southfork Ranchに行って博物館(?)見学の後ご飯。Alan BlackwellとTanimoto先生とAndrewと並んで、発達心理学や昔のコンピュータや食べ物の話など。