EuroPython 2006
というわけで、Alanの講演はリモートで行われました。Polycomで音声を送りつつ、Squeakで書かれたNebraskaという画面共有ソフトを使って、AlanがリモートからSqueak上のプレゼンテーションをコントロールする、という俗称"HP World Style"のプレゼンテーションです。
Nebraskaはその気になるとかなりネットワーク帯域を必要としてしまいます。以前梅澤さんや阿部さんが夜を徹して書いたバンド幅削減パッチを参考に、新しいイメージとのすり合わせをしました。ネットワークを通る画像4bit depthに減色し、プロジェクトの遷移が起こったときにはバッファされた描画イベントはフラッシュしてしまい、といったせこい感じの最適化ですが。(本当は1 bit depthの白黒画像にして送るようにしたつもりだったのですが、手違いで4 bit depthのままになってしまいました)。
EuroPythonの会場はCERNだっただけに、ネットワークのバンド幅そのものは十分だったようです。結構ちゃんと動きました。Alanはだんだん調子に乗ってスクリプタも回転させたりしはじめたのでちょっとはらはらしましたが。それでもある程度のlatencyは感じられたものの、バッファにどんどん溜まる、という感じではありませんでした。ちゃんとリモートからのお絵かきもできましたし。
ただ、CERN側のファイヤウォールでNebraskaで使うポートを開けなくてはならなかったため、networkの管理者を見つけ出し、ちゃんと交渉して開けてもらうのがなかなか大変だったようです。一時はもうしゃべりだけでやるか、という気分にもなったのですが、講演の3分前になんとかポートを開けてもらって見事接続できました。某トンネリングソフトの「ちくわ」はこのようなときにもつかえるのでしょうかね?
というわけで、CERNに足を運んでネットワーク管理者と交渉をし、Nebraska serverの面倒を見て、臨機応変にマイクをlaptopのスピーカーに近づけたりもしてくれたMarcus Denkerに大いなる感謝であります。PythonのイベントにSqueakerとして乗り込んで、Alanが「このようなシステムを作るのはPythonのほうが良いだろう」ということを言う手伝いをしているわけですが、「Squeakにこだわるのではなく、なるべく多くの言語がエンド・ユーザー向けとして子供優先に考えられた環境を持つべきである」というメッセージには、Marcusも共感してくれています。
Nebraskaはかなりのオールドテクノロジーですし、かなりBobチックなのでもう何年も前にソフト的寿命を終えているべきものではありました。id:propellaさんが最近色々書いてくれているCroquetという次世代的共有環境を、ちゃんと大陸間でもストレスなく使えるようにするのが我々の次の目標ではあります。今日は、6時起きして出勤して、向こうの人とネットワークの接続テストをSkypeおよびPolycomでしゃべりながら苦労してしつつ、講演中は二つの画面をにらんでちゃんと動いているかどうかどきどきしつつチャットで現地の様子を聞きつつ、というものでしたので、次回はもっとすいっとできるようにしたいものです。
ブログ界にはだんだん記事が載ってくると思いますが、とりあえずひとつだけ見つけました。
http://vanrees.org/weblog