教室めぐりと議論

午後の質疑や議論もなかなか面白かった。東京圏だけに京都でやるよりもさらに多くのメディアが集まっていて、教室の中はやや微妙な雰囲気にはなっているが。阿部さんは縦横無尽の活躍。校長先生もちゃんと教室に来てSqueakに関する子供の質問に答えている。

Alanからは、自由な創作活動と、先人達が積み上げた文明としての知識の伝達、という異なる方向性のバランスに関するコメントが多くなされた。子供は白い紙と鉛筆を渡せば、放っておいてもお話作りのような創作活動はできる。ただ、何百万年の人類の歴史の中で、数学は数千年、科学は数百年の歴史しかないことには理由があるので、子供がひとりでにそういうことを思いつくことはありえない。子供は自由にやっているつもりでも、内容は有意義なことになるように工夫する必要がある。

子供の一人が5つ球振り子のアニメーションをしていた。「色を見る」テストで、スクリプトをスタートしたりストップしたりしていて、アニメーションとしてはそれっぽく動いているのだが、見方によっては「木が扇ぐから風が起こる」という物語的な実装のようにも見える。

直接の関係はないが、近似の概念を教えるときの難しさと同じような微妙な面があるだろう。sin xでxが十分小さいときはxで近似してよいというとき、使う用途が判っていないとおかしなことになる。

HP-Squeakersの一人Tさんからは、思うにボランティア組織の運営ということについてちょっと政治的な質問もあったように思う。僕からのひとこと、ということでNegroponteの「異なる動機に基づいている人でも一緒の目標に向けてよいことをすることがある」ということを言って、「大きな目標に向けてそれぞれのモチベーションでボランティア活動をするのはよいことではないか」ということを言ってみた。怖いねただけど。

子供達の元気さに打たれた一日でもありました。