ESUG (2日目)

一応人よりは早起き。会場まで歩いていく。今日の講演は昨日のよりはnon-technical orientedである。

Alan KnightのGlorpの説明。デモは、いろいろフロントエンドを作ってパッケージリストのデータベースを除いたりするところを見せていた。

次は、AidaとSeasideの比較。「比較」といっても本当の比較の話は最後にちょっと出ただけだけど。SwazooがWeb Serverで、組み合わせて使うということを知らなかったのでひとつ賢くなったかも。embedded tag方式とProgramming方式という分類もまあわかりやすくてよい。それにしても、聴衆に「わが道を行く」人が2人くらいいるとだいぶん、発表の流れが滞ったりはするよな。比較の表もメモは取ったが秘密。

暗号。発表もSmalltalkで作ったツールを使い、画面のbitsを暗号化して、グラフィカルな変更をすることによってそれぞれの暗号化方式の特徴を見せたりするのが良かった。分類もわかりやすかったし。MistyってAESのファイナリストまではいかなかったんだけ?Clausから、最近はXMLを暗号化して送ることが多いけど、その場合最初の数文字はいつも同じだったりするので、とかいう話が出て面白かった。あとで発表者に質問したら、すべてSmalltalkで書いてあって、Cのバージョンよりは20-60倍遅いけど、それでも20MB/secとかで暗号化できるのでまあ許せる、とか。配列のアクセスと32bit integerの演算は遅いので致し方なし。

LSW Smalltalkの発表。そういうシステムがあることはわかったが、発表のスタイルには問題あり。作ったツールが動いているところの静止画面をキャプチャして、それをPowerpointに張り込んで延々止った絵を説明している。デモしろよ。疲れたので、あるということだけ理解して毛玉の内職。

Smalltalk/Xの紹介。さすが。stcの出したコードを見ると、Gambitをいじっていたころを思い出すな。

Abstract Interpretation。テクニカルな意味では目新しさはないが、それでもプログラム解析を楽しくやる、という話で楽しく聞く。

Microlingua。Smalltalkを元に、気に入らないところを直した言語を作ろうとしている。exact numberとinexact numberの表示方法や演算を変えたりするのはありかも。".."で並列実行、というのはきっとはやらないとは思うが。

Windows CE上のSmalltalkについて。がっかりしたのであまり書くことはない。

発表はこれで終わり。 Innovation Awardとかいうよくわからない賞を決める、ということで7人の候補者がデモをするのだが...みんな、デモの仕方を考えたほうが良いぞ、少しは!

StephaneのSqueak紹介セッションというところを見ていたが、なんだか4年もののAlanの古いデモを見ているようではあった。それでも、WaveEditorのつかいかたのところで突然Danに振ってDanがやって見せたりするところは面白かった。多言語化も進んでいる、というところで阿部さん作のCJK文字が出ている3つのワークスペースの絵が出てきて、「いったいそれぞれが何語なのか教えてよ」と聞かれたりしたな。「簡体中国語と、韓国語。最後のは良くわからないけど、たぶん日本語だと思う」といって受けを狙ったのだが、半分くらいの人しか笑わない。後で何人かの人と話をしたときに「中国から来たの?」とか聞かれたりしたので、そういう理由もあったらしいぞ。おそるべし、ヨーロッパ人。

Stephaneはとにかくエネルギーあるよな。「何人かのCrazy Guysが作ったNetMorphというシステムがあって」、とかいって受けをとっていたので、「あの人たちは普通の人ですよ、Stephaneに比べれば」と言っておきましたよ。

夜は、大学教員でもある(?のかな?)Jazz Pianistとが演奏しているところで酒を飲みながら歓談。

Clausに、Smalltalk/Xの輸入の話と絵の話をしたのですが、ちょっと噛み合いませんでした。SIXXとSoapOperaの話もしたのですが、梅澤さんが言外に匂わせていた「勝手に使っているんだから菓子折りくらいよこせよ、こら」というニュアンスは上手に伝えられず「よろしくといっていた」というところで終わってしまいました。すみません。

僕はやっぱりゆっくりしゃべる(おかしな間がある)ので、ある種の話し方を好む人は、がんがん「割り込んで」まぜっかえして冗談を入れてきたりする。これをやられるとやっぱりつらいんだよな。今日はお酒も入っていたので、「まぜっかえされると困るんだからやめてよ」とか言いながら楽しく熱くもりあがる。

話題に出てきたので、関連するAlanの言葉の引用をすると、「なんでいったいあったこともないAlan Kayという人の話にいつもなるんだ?」というようなことをいう学生さんがいたり。その後の話の中で「毎日のように会っている」ということが伝わったようだけど。まあどうでも。

そういえば、Alanに「Koethenというのは小さくて静かで良い街のようだ」というメールを送ったら、Koethenにあるオルガンの薀蓄がたっぷりと返ってきました。畏るべし。